一本の電話

一本の電話

 「大阪国立医療センターの酒井と申しますが、
和春さんの弟さんでしょうか?」
「はいそうですが」
「お兄さんが、危険な状態なので直ぐに来てください。」

それは5月26日の朝、いつも通り朝礼が終り、
仕事の準備をしていた私にかかってきた電話でした。
はじめは間違い電話だと思い、
「どちらにおかけでしょうか?」と聞き返しましたが、
帰ってくる言葉は同じで、そこで兄貴の身に何かが
起きた事に気付きました。

その日の内に帰りたかったのですが、仕事の都合で
次の日の一番の飛行機に乗り、大阪に向かいました。
移動中でもまだ気持ちの整理がつきませんでした。
2週間くらい前に電話で話したばかりで、その時は
いつもと変わりなく話していたのですが・・・・。

空港に到着した私は、直接病院のほうへ向かいました。
空港から病院まではバス、電車を乗り継いで40分
くらいの所にあります。
先に行っていた両親と、病院のロビーで待ち合わせを
して病室(I C U )に向かい、そこで眠っている
兄貴に会いました。
その姿は良くテレビとかで見る光景で、人工呼吸器
を着け心電図の波形が弱々しく波をうっていました。

しばらくして担当医から、家族全員部屋に呼ばれて
説明がありました。
とにかく兄貴の病状は脳梗塞・くも膜下出血・動脈流
全てが頭の中で起きていて、手の施しようが無く
致命傷になったのが、出血した血液が脳幹を押しつぶして
いた事でした。
助かっても植物人間か寝たきり状態になる事を告げられ、
おかんはその場に泣き崩れてしまいました。

健康状態の人だと直ぐに臓器提供となる所ですが、兄貴
の場合は、血液中に細菌が繁殖していて、それが除去
されない限りは提供ができませんでした。

続きは次回のブロクで・・・。

2012年1月24日 | コメントは受け付けていません。 | トラックバックURL |

カテゴリー:実家の家族

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